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「国内主要半導体・電子部品商社ランキング」【2025年3月決算】

大手半導体・電子部品商社の2025年3月期決算が出揃ったこともあり売上高ランキングを以下の通り集計しました。

ここでは今後の半導体・電子部品商社の動向についても考えてみます。

国内の主要電子部品商社年商ランキング


国内の主要な半導体・電子部品商社を2025年3月期決算の年商順に以下にまとめます。

■国内主要電子部品商社ランキング(2025年版)


年商順にしておりますが、「トーメンデバイス」「エレマテック」「ネクスティエレクトロニクス」は豊田通商グループですので、一体としてみるとその存在感はより大きいようにみることができます。

半導体商社は、特定のメーカーを中心に扱うメーカー系の半導体商社と特定のメーカーなどと資本関係も持たず独立して様々なメーカーを取り使う独立系の半導体商社があります。

こちらに記載の半導体・電子部品商社は、一般的には一次代理店としてメーカーから仕入れたものを国内のセットメーカー等に販売することが多いですが、場合によって、二次代理店に販売していたり、EMSなどへ販売していることもあります。

マクニカHDなどになると商社色が強いですが、加賀電子のようなEMS事業を持つ商社や萩原電気のような組込システムといったプロダクト開発を行っている会社もあります。その意味では、マクニカHDが加賀電子や萩原電気といった会社に半導体を販売先する、といったような同業間のサプライチェーンも存在します。

業績動向を見る上では、まず商社が持つプロダクトラインとそれが搭載されるアプリケーションの市況・販売先となるセットメーカーの市況を確認するのがよいでしょう。例えば、パワー半導体のラインアップを多く持つ「インフィニオン・テクノロジーズ」「オン・セミコンダクター」「STマイクロエレクトロニクス」「三菱電機」「富士電機」といったメーカーの半導体を取り扱う商社であればそれらが使われる産業機器・自動車等の販売動向を確認する・セットメーカーが輸出している先の景気動向を確認する、といった具合です。

半導体・電子部品商社については、規模が大きくなればなるほど、あらゆる産業に対応できるラインアップを網羅的に獲得する傾向があるので、規模が小さい商社は特定の業界動向に業績が左右されやすくなる可能性もあります。

今後の半導体・電子部品業界の動向


現在、半導体・電子部品業界の見通しとしては調整局面という見方が多いようです。

グローバルでの需給で考えると、2020年にコロナ禍でのPC・データセンター需要が増加し、2021年に自動車やスマホといったアプリケーションの需要が回復したことにより半導体・電子部品需要は向上しました。しかし、2022年頃から中国のゼロコロナ製作や不動産不況が本格化し、2023年頃から景気減速や在庫の調整が表面化しました。半導体・電子部品の納品先であるセットメーカーの業績見通しでもこうした点で指摘されています。2024年頃から徐々に回復しつつありますが、AI関連の需要や、メモリ相場の回復によるところも大きいです。

生成AIの需要拡大においてハード的にはGPU・HBMメモリの需要が高くなったり、自動車用半導体として熱伝導の良いSiC素材の半導体の需要が高くなるといった、高性能半導体が注目を浴びるようになっています。

現在は部分的な需要改善ですが、今後中長期的には半導体・電子部品需要は成長局面に入るという見方もあります。


当社では、半導体・電子部品業界を専門に扱うコンサルティングも提供しております。M&Aによる譲渡・譲受にご関心がある場合にはこちらもご参考ください。


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