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「タイムチャージ(時給)でM&A仲介を依頼できる?」手数料が安く納得感のある仲介会社の選び方

会社や事業を売却をしようと思って色々なM&A会社を調べたり、話を聞いてみると気づくことがあります。

それは、「成功報酬の会社が圧倒的に多い」という事実です。

中には着手金+中間金+成功報酬などといった会社もありますが、一見すると「最終的にM&Aをしなければ手数料が発生しない」というのはM&Aを始める上で始めやすい良心的な契約内容のように思います。

ただ、もう少し細かく報酬体系を見ていくと「最低報酬」という設定もあることに気付き悩む人もいます。

最低報酬額というのは、「成功報酬は最低でも〇〇円はいただきます」という取決めになりますが、上場している仲介会社などではこれが2,000万円などと設定されており、多くの中小企業経営者からすると安くないと感じるはずです。

これは、5,000万円で会社が売却できれば2,000万円の手数料を支払っても3,000万円残る一方、1,000万円で会社を売却したら会社の売却代金の他に1,000万円をどこからか工面してM&A会社に払わないといけないということになります(一旦税金は無視して)。

譲渡企業の規模によってはかなり割高になるケースもあります。

と、同時に、根拠の分からない最低報酬額などではなく、働いた分だけお支払いする報酬体系にしてほしい、という方もいるかもしれません。

そこで検討に上がるのが「タイムチャージ」方式の報酬体系です。

タイムチャージとは、時間決めの報酬支払形式のことで、例えば、「単価2万円/時間」の専門家に10時間依頼すると20万円のお支払いになるという感じです。ちょうど時給で働くアルバイトのような支払形式です。

専門家なのでそれなりの単価になることはありますが、「相手を紹介したから報酬を下さい」というよりも「〇〇時間働いたから報酬を下さい」というほうが納得感があると感じる方にとっては、納得感があるとも言えます。

そんなことから、今回は、M&A会社が働いた分だけ報酬を受け取る「タイムチャージでM&A仲介会社に依頼する方法」について取り上げてみたいと思います。

M&Aの仲介手数料はなぜ成功報酬が多いの?


まず、M&A仲介会社がどのような報酬体系で手数料を徴収しているかについて考えてます。

ここについては、中小企業庁公表の「M&A支援機関登録制度実績報告等について」のデータでも公表されていますが、M&A支援機関(M&A会社等)は報酬の大部分を成功報酬として受け取っていることが分かっています(全体95%は受け取った報酬の内80%超の部分を成功報酬として受領)。

なぜ、ここまで成功報酬が主流なのでしょうか?

理由としては、以下の理由が考えられると思います。

・M&A成約するか分からないのにコストを掛けたくない、という顧客側の希望
・成功報酬で大きく手数料を取った方が稼げるから、という業者側の希望


これからM&Aで会社や事業を売却しようと考える売主は、M&Aが成約するか分からないのにコストを掛けたくないという希望を持っていることが多いです。

中小M&A仲介業の実務的には、一般的にまず会社や事業を売りたいという方から始まり、その会社や事業に合う買手を探すという流れになります。そのため、買手側は自社のニーズに合う売手なのかそうでないかを判断するところから始まる一方、売手側は自社に興味を持ってくれる買手が現れるかどうかすら分かりません。

そのような中で「コストをかけるのはちょっと・・・」となってしまうわけです。

事実、上場しているM&A仲介会社が公表しているIR資料で、受託件数と成約件数両方を公表している会社もありますが、受託件数(売主からM&A業務を委託された件数)の内、成約件数が半数にも満たない、ということはよくあります。

実際全ての受託案件が成約するかといわれるとそういうわけではないのでこのくらいの確率になることもあるわけですが、依頼する側としてはこのくらいの成功確率のためにコストを出すのは嫌、という感覚になってしまうことは考えられます。


このあたりの事情は、M&A会社からするとM&Aを実現させない限りは大きな売り上げにならないから大変そうにも思いますが、必ずしもそうではありません。成約できなかった案件にかけた工数や費用以上に、成約できた案件から回収できれば会社としては問題ないという考えて収支のバランスを考えているケースが実際には多いです。

M&Aを仲介した場合、手数料は売手からも買手からも徴収します。

そのため、最低報酬金額が2,000万円で設定されるような仲介会社は、1件成約することで売手から2,000万円、買手から2,000万円の報酬を受け取り、最低でも4,000万円を受け取ることができます。

1年の内、1件でも成約すれば、この担当コンサルタントに年収1,000万円払っても会社としては十分商売が成り立つということです。通常コンサルタントは一度に何件かの案件を担当していますので、成約しない案件が出てしまうこともある程度は織り込んでいるものです。

M&A仲介業というのは、想定している確率以上に成約できれば大きく稼げるものです。ただ、一方、思うように成約しなくなった時、先行して支出した人件費や広告費の回収ができず、赤字に転落することもあります。

別にどんな報酬体系でもよい


M&A仲介業は、不動産仲介業のように「顧客から徴収してよい報酬の上限額」が法律によって定められているわけではありません。

そのため、「下限は最低報酬、上限はレーマン方式により計算される金額」という一般的な仲介会社の報酬設定も、特に法律によって定められているわけではありません。ちなみに、中小企業庁公表の「M&A支援機関登録制度実績報告等について」にはM&A会社で設定されている最低報酬額の分布図も記載がありますが、最低報酬額が3,000万円の会社もあれば100万円の会社もある、というバラつきがあるのはこうした背景があるからです。

報酬が自由に設定できるのであれば、成功報酬でないといけないわけではなく、「タイムチャージ方式」で設定してもよいといえます。

「タイムチャージ方式」というのは、時間単価2万円のコンサルタントを10時間稼働させたら20万円の報酬が発生するというようなイメージです。

コンサルティング会社や士業専門家の中ではこうした報酬設定をする会社も一定数あり、「働いた分だけ報酬を支払う方が納得感がある」という顧客層からは好まれる面もあります。

また、利益相反の関係について疑う余地が減るというのもタイムチャージの利点です。

例えば、完全成功報酬を設定したM&A業者であれば、M&A成約をしないと売上に繋がらないため、依頼者にとって不利益のある行動(売手に対する金額目線下げ、買手に対する金額目線上げなど)を行うリスクが高くなります。

利益相反行為はしてはいけませんが、結局はコンサルタント個人の倫理観によるところもありますが、営業成績について厳しく求められるM&A会社であればある程、こういったリスクによる不利益を依頼者側(顧客側)が受けやすくなる環境が整うとはいえます。

タイムチャージが良いかどうかの感じ方は、依頼者側が普段どのような商売をしているかや、感性によるところもあります。

支払金額をベースに考えると、もし、M&Aが成立するという前提であれば、成功報酬で大きな金額を支払うよりもタイムチャージで支払った方が大きくコストを抑えられる可能性もあります。最低報酬額が2,000万円とした場合、時給2万円のコンサルタントとしてもM&Aの成約までに1,000時間を要するかといわれるとそのようなケースはまずないからです。

細かい相談や資料作成をしたとしてももっと実労時間は少ないはずですので、そうなると、成功報酬という考え方は、そもそもM&A仲介業というのは労働に対する報酬を得ているのではなく、機会を与えることによる報酬を得ている報酬設定の考え方ともいうことができます。

また、「タイムチャージ方式」で報酬設定をする場合でも、上限(「キャップ」ともいいます)を付けるケースがあります。例えば、2万円/時間という報酬設定をしつつも、200万円のキャップを付ければ、100時間まではタイムチャージで働くけど、それ以上(200万円)は超えません、といったような取決めです。

相談業務の多い仕事だと、タイムチャージで料金が膨らんでいく設定のため、相談することに消極的になってしまうこともあるかもしれませんが、こうした取決めがあることで安心して相談することもできます。


「タイムチャージ型」と「成功報酬型」についての比較(一例)をすると以下の通りです。


個別の会社による設定でどちらがメリットがあるかは異なりますが、概ね以下のことは言えると思います。

・成功報酬が500万円、1,000万円を超えるような成功報酬と比較する場合には、タイムチャージの方が安くなることが多い(実労働時間として、それほどの稼働がある案件はそれほど多くないため)
・M&Aが実現しなかった場合タイムチャージは持ち出しになる


成功報酬型の報酬体系をとっているM&A会社でも、着手金や中間金を徴収する会社もありますし、完全成功報酬としながらも報酬支払いのタイミングが「クロージング時」ではなく「最終契約締結時」となっているケースは存在し、これらは「成功報酬型でもM&Aが実現しなかったにも関わらず報酬の支払い義務が生じる」ことがあるので、この点注意が必要です。

基本的には、よほど時給が高額でない限りは、時給換算で1,000万円も2,000万円分も工数をかけるケースは少ないので、仕上がりの支払い報酬額はタイムチャージの方が安いと感じることが多いように思いますが、成功報酬で設定するM&A会社はあまり多くないので、見つけづらいという傾向はあるかと思います。

当社のタイムチャージ式の手数料プラン


当社では、これから会社や事業を売却しようとしている譲渡企業様向けに以下のようなタイムチャージ式の手数料プランを設けております。


仮に、単価2万円で100時間で成約した場合には、総支払額は200万円となります。

レーマン料率などで取引額に応じて手数料が高くなるという心配もなくなりますので、取引金額が大きくなる可能性のある案件であればそれだけ最終的に手元に残る金額が多きくなる可能性もあります。

また、本サービス提供に当たっては、タイムチャージの元となる時間計測も定期的に報告し、認識に齟齬が出ないようにしておりますのでご安心下さい。

なお、「電気・電子・機械」領域以外のお客様についても対応可能です。当社は当該領域以外にも多数の成約実績があるため、多岐な分野において高品質なサポートが可能です。

また、完全成功報酬型の以下のプランもあるので、どちらが良いかお客様のご希望で選択いただくことが可能です。

当社の示している「成功報酬」は「クロージング時に支払義務が発生する」形式を取っているため、最終契約書は締結したものの、関係者の反対によりM&Aが頓挫してしまったなどのケースでも、成功報酬が発生せず、安心してM&A検討を進めていただくことが可能です。


報酬設定の他、M&A会社はコンサルタントのレベル感で選ぶ必要がありますので、是非一度お問合せいただければ幸いです。

お問合せの際には以下のお問合せフォームからお問合せ下さい。

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